石つくりの皇子:
とっても計算高い人。かぐや姫には「仏の石の鉢」と言うお釈迦様が終身重用した鉢を取って来てちょうだい!といわれちゃう。そんなのじぇ〜〜たい無理!と考えたこの人、「これからインドに行ってくるね〜」っていう手紙を書いておいて、
3年ぐらい経ってから、奈良県あたりにある、とある山寺から、黒い墨のついたこ汚い鉢に花の枝を取って来てかぐや姫に差し出したんだ。
本物の「仏の石の鉢」は光沢がある!っていわれていたんだけど、石つくりの皇子が持ってきた鉢には光のかけらすらもなかったので、かぐや姫にはあっさり「マガイ物」だって見破られてしまうんだ。 |
くらもちの皇子:
このひとも計略にたけた人。「蓬莱の珠の枝」といってどっかの幻の島、“蓬莱山”というところにある、不老不死の薬の原料となる、きらびやかな植物の枝を持ってきて〜〜っていわれちゃう。「病気で療養する」と仕事は休暇をもらい、かぐや姫には「珠の枝を取りにいく」と言って、難波の港から船出するんだ。だけど、みんなには“船出した”と思わせておいて、3日後ぐらいにこっそり戻ってきちゃうんだ。
それでその後どうしたかって言うと、簡単には人が近寄れそうもない家を作って、そのなかに技術のたけた職人さんと一緒にこもってせっせと「珠の枝」作りに励むんだ。
そして、やっぱり3年ぐらい経って、出来上がった「珠の枝」を持ってかぐや姫のところに出向く。「ああ。とうとう本物を持ってこられてしまった!」ってかぐや姫はガッカリする。おじいさんは「これでやっとかぐや姫は結婚してくれる!」って大喜び、くらもちの皇子はすばらしい人だ!って褒めちぎっていたんだね。
しかしツメの甘いくらもちの皇子、職人さんに3年分の給料を払うのを忘れてた。「はよ払え〜〜〜!」って催促の手紙を、まさにくらもちの皇子がかぐや姫の家でもう少しで祈願成就!っていう間の悪いときに持ってきたんだ。当然かぐや姫に気づかれて3年の計画が水の泡。あんなに
誉めていたおじいさんもバツが悪くなって、狸寝入りを決め込んじゃうんだね〜〜。
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右大臣阿部の御主人(みうし):
お金持ちで一族も繁栄している人。「火鼠(ひねずみ)の皮衣」といって絶対焼けないネズミの皮が宿題。お金があるので、しっかりした部下の一人に「火鼠の皮」を買いに行かせるんだ。
たいそうな金額だったけど、右大臣にとってはかぐや姫のためなら安い金額だったので、買い求めたんだ。買ってみてよく見ると、豪華絢爛、空色で毛並み二斤色が混じったとってもキレイなものだったんだ!かぐや姫も美しいから喜ぶだろう!って喜び勇んでかぐや姫のところに持っていくんだね。
だけど高くてキレイだからっていうんじゃ許してくれないかぐや姫。実際に燃やしてしまうの。結果は。。。やっぱり燃えちゃうんだね。。。 |
大納言大伴御行(おおとものみゆき):
この人もお金持ち。宿題は「龍の頸(くび)の玉」といって龍の首についてる五色に光る玉。「龍の首の玉を取ることができなかったら、帰ってくるな!!!」と家来に命じて、それぞれにお金を持って家を出て行かせた超自分勝手(笑)な人。家来たちはもちろん「マジかよ〜〜〜!」と文句をいいながらも、ご主人様には逆らえないから、しぶしぶ出て行くんだけど、もちろん「龍の玉」を探しに行ったわけじゃなくて、持たされたお金を分け合って、どっか行っちゃうんだね。
家来たちが出て行った間、当の大伴御行はどうしたかというと、家を改装して、奥さんとも離縁しちゃって、絶対かぐや姫と結婚するんじゃ〜〜!と張り切って一人暮らしをしていたんだね。。。だけどいくら待っても、家来は帰ってこないから今度は自分から、探しに出かけて船出するんだ。(全くそれなら最初から行けよな〜〜!)
そうして、船旅をしていると、とてつもない大嵐に逢う。船頭さんが言うことには「アンタが龍を殺そうとしたタタリじゃ!」だそうで、恐れをなした大伴御行は、「龍の玉探しはもうやめるから嵐を沈めてくれ〜〜〜!」って必至に願って、嵐を沈めさせるんだ。
「龍のところに行ってもきっと殺させたに違いない。かぐや姫は私を殺そうとしたんだなぁ。」とやっと気が付いて、かぐや姫のことをあきらめ、宝探しも止めたんだ。
それを聞いた元奥さん、腹がちぎれんばかりに大笑いしたそうな。。。 |
中納言磯上の麻呂(ちゅうなごんいそのかみのまろ):
「燕の子安貝(こやすがい)」が宿題。子安貝というのは貝の一種で、古くから安産のお守りとされているんだ。「つばめなんかどこにでもいる!」と簡単に思ったけれど、「ツバメの子安貝なんて見たことない。」と人々が言うようにとても珍しいものなんだそうな。
それでもがんばる中納言。いろいろな人の助言を頼りに、とうとう自分から、綱で吊り下げられたカゴに乗って、ツバメの巣から子安貝を取り出そうとする。「やった取ったぞ!はやくおろせおろせ!」と催促するもんだから、綱を握っていた家来たちは慌てちゃって、ズドンとカゴを屋根の高さから落っことしてしまうのね。怪我をしても嬉しさいっぱいの中納言。手を広げてつかんだものを見てみると、それはツバメの糞だった。。。 |