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「きょうもてんきがわるいなあ。そろそろ、
梅雨(つゆ)いりかな?」 |
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「梅雨(つゆ)いり? それってなに?」 |
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「そうじゃなあ。梅雨(つゆ)っていうのは、これだーっていうはっきりきめたものはないんじゃが、
『梅(うめ)の実(み)の熟(じゅく)するころにふる雨(あめ)』
っていういみで、なつのまえに、1かげつかんくらいふりつづく雨(あめ)のことなんじゃよ。」 |
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「そんなにながいあいだふるのやだな〜。なんで
なの?」 |
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「うん。ふゆのあいだには、つめたい空気(くうき)のかたまりがあるんじゃが、
なつがちかづくとみなみのうみのほうから
あたたかい空気(くうき)のかたまりがやってきて、ちょうど日本(にほん)のうえでぶつかるんじゃ。」 |
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「ふーん」 |
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「おなじくらいのちからでぶつかりあうから、空気(くうき)のかたまりが、
びろーんとのびてよこにひろがって、日本(にほん)を
つつんでしまうんじゃ。
この2つの、空気(くうき)のかたまりのちからがおなじだから、
どっちもおしあってうごかなくなっちゃうんじゃな。」 |
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「1かげつもそのままなの?」
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「おしあいをしながら、雨(あめ)をふらせるんじゃよ。」
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「じゃなんで、雨(あめ)がふるの?」 |
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「お、それはちょっとむずかしいぞ。いろいろな雨(あめ)の
ふりかたがあるけど、梅雨(つゆ)の雨(あめ)をはなすよ。
梅雨(つゆ)の雲(くも)はね、つめたい空気(くうき)の
かたまりのなかで雨(あめ)がふるけど、
雨(あめ)をつくっているのはあたたかい空気(くうき)の
かたまりなんじゃ。」 |
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「なにそれ?ぜんぜんわかんないよ〜〜!」 |
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「おふろをわかしたとき、したがつめたくって、うえのほうが
あたたかいじゃろ?」 |
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「うん。よくかきまぜないと、いけないよね。」
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「それとおなじように、つめたい空気(くうき)のかたまりは
したにいきたがるんじゃよ。」
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「まじりあわないんだ!」 |
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「そうなんじゃよ。それで、あたたかいかい空気(くうき)は、したからおしあげられるから、空気(くうき)のなかで、うえにむかうかぜができるんじゃ。」 |
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「かぜがうえにのぼるの?」
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「そんなかんじじゃな。」
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「そして、空気(くうき)のなかのめにみえないみずのつぶが、空(そら)にのぼっていってひやされると、ちいさな氷(こおり)やみずのつぶができて、それがあつまると雲(くも)になる。」 |
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「空気(くうき)のなかに、みずのつぶがういているの?」 |
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「そうじゃ、霧(きり)ってしっているかい?」 |
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「霧(きり)って、朝(あさ)さむいときなんかに、もやもや
ってしている、あれ?」 |
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「そうじゃ!あれが、空(そら)にあると雲(くも)って
よぶんじゃよ。」 |
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「へ〜〜〜」 |
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「そうぞうできるかな?
そして、ちいさなちいさなつぶが、つぶどうしくっついて、おもくなっておちるんじゃ。おちながらも、まわりのつぶをいっぱいくっつけるから、だんだんおおきなあめつぶになるんじゃよ。
あたたかい空気(くうき)のかたまりのなかでできた雨(あめ)が、つめたい空気(くうき)のかたまりのなかをとおって、地面(じめん)にふってくるのが、梅雨(つゆ)の雨(あめ)なんじゃ。」 |
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「それで、梅雨(つゆ)はそのあとどうなるの?」
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「なつがちかづいてくると、
あたたかい空気(くうき)のかたまりがつよくなって、つめたい空気(くうき)のかたまりをおしのけてしまうんじゃ。
それを梅雨(つゆ)あけってよぶんじゃよ。
みなみのうみからくると、あたたかくてしっけているから、日本(にほん)のなつはじめじめしているんじゃな。」 |
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「それでなつがくるの?」 |
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「そう、なつやすみがちかくなるんじゃ。」
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「あと、北海道(ほっかいどう)は、あたたかい空気
(くうき)のかたまりががちかくにこないから梅雨(つゆ)
がこないんじゃよ。」 |
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「じゃ、梅雨(つゆ)になったら北海道(ほっかいどう)に
すんだらいいんだ!」
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「おいおい、梅雨(つゆ)のあいだも学校(がっこう)はあるんじゃぞ?」 |